アルコールは母乳に影響する? 〜授乳中の飲酒〜
アルコールは、母親が飲酒をした時点で、母乳の中にも含まれることになります。飲酒によって摂取されたアルコールは、まず血液中に溶け出し、その血液が乳腺にまで循環することにより、乳腺で新たに生成される母乳の中にもアルコール成分が含まれることになります。その際、アルコールの摂取の速さには個人差がありますが、アルコール血中濃度は飲酒の開始直後から急激に増えつづけます。したがって、飲酒を始めてから母乳に相当量のアルコールが含まれるようになるまでには、さほど長い時間を必要としません。また、血液中のアルコール濃度と母乳中のアルコール濃度は比例して増減します。大量に飲酒すればするほど、母乳中のアルコール濃度も高くなります。飲酒の後、時間の経過とともに血中・母乳中のアルコール濃度は順調に減少していきますが、それでも、しばらくの間は母乳中にアルコール成分が残ることになります。
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そこで気になるのは、赤ちゃんが授乳によってアルコールを摂取した場合、赤ちゃんの健康にどのような影響があるのかということです。これまでに知られているアルコールの赤ちゃんへの弊害としては、1,睡眠時間が減る(眠らなくなる)、2,運動機能の発達が遅れる、3,アルコールへの嗜好性が高まる(アルコール依存症の危険性が高くなる)といった点が挙げられますが、まだ十分に研究が進んでいるとは言えません。しかし、乳児は、アルコール成分を分解する肝機能の発達が未熟であるため、体の各器官が大人と比較して約100倍もアルコールの影響を受けるとされており、とりわけ発達中の脳および中枢神経系に対する悪影響が懸念されているという点は、もっとも要注意です。赤ちゃんが丈夫に育つことを願って母乳栄養で赤ちゃんを育てる以上は、母親としては、赤ちゃんの健康に悪影響がある可能性を考慮し、断酒せざるを得ないでしょう。
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