アルコール依存症の症状、鬱(うつ)や怒りっぽさ
アルコール依存症の初期段階では、外見上、何ら変わった様子が見られるわけでもなく、日常の食生活も普通の人と変わりがありません。しかし、いったん飲酒を始めると、ほどほどにしておこうと思いながらも、飲酒が止まらなくなってしまいます。酒を口にした途端に自制心が効かなくなり、酩酊するまで飲んでしまいます。
多量の飲酒を繰り返すうちに、つねに体内にアルコールがあって酔った状態でいなければ体調が良くないと感じるようになります。そのため、医師から断酒を指示されていても、また、たとえ仕事中であっても隠れて飲酒をするなど、時と場所を選ばず発作的に飲酒を試みます。さらに進行した場合、体が受け付けなくなるまで飲み続け、限界に達するといったん飲むのを止めますが、回復すると再び飲酒を続けるという連続飲酒の状態になります。
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このように酒量が限りなく増えてゆくのは、肉体のもつ「耐性」が原因です。耐性は、薬物の刺激や効果に慣れてしまう体の性質です。アルコールの依存性によって、患者はすでに心理的・肉体的に酒による酩酊感を強く求めるようになっていますが、以前と同じ量では酩酊できなくなります。そこで、より多く、より長い時間、酒を飲み続けることになります。
また、このような状態に陥るまでには、通常、肝臓などの内臓の疾患を発症します。多くの患者の場合は、医師の指示などにより断酒しますが、酒を断ったときには、禁断症状(正しくは離脱症状)に見舞われます。禁断症状の軽いものとしては、頭痛、発汗、手・全身の震え、めまい、吐き気などが現われます。重症の場合には、妄想に囚われたり幻覚や幻聴に悩まされたりするようになり、さらには痙攣発作さえ起こすようになります。また、これらの禁断症状を脱した後も、数ヶ月間は、抑うつ状態が続き、怒りっぽくなるなど、精神的に不安定な状態が継続します。
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